◆足底のじゃりじゃりする知覚異常(糖尿病性神経障害)80代女性


◆症状

数年前より指の付け根付近が足をつくと砂利を踏んでいるような感覚の方って結構いらっしゃいます。ほかの言葉でいうと『じゃりじゃりする』なんて言われる方もいらっしゃいます。原因はさまざまございますが、当院に来られた80代女性の患者様も同じように訴えておられました。

 

◆検査・・検査を行い下肢の違和感の増減を確認

①腰の前・後屈(ー)→変形性腰椎症やヘルニアではなさそう・狭窄症でもなさそう

②ケンプ兆候なし→変形性腰椎症ではなさそう

③SLR(ー)→腰椎ヘルニアではなさそう

④臀部の押圧→左右差あり→右の方が痛い→梨状筋症候群や大腿方形筋による坐骨神経の圧迫による神経症状の可能性はありそうだが直接の原因とまでは言えない

⑤足根管のチネル兆候(ー)→足根管症候群ではなさそう

糖尿に使用するツボを押す前後でじゃりじゃり部分を触ると、先程と触れた感覚が違うとのこと。→これは直接の原因ではないかと感じました。

 

◆治療

この患者様は長い期間糖尿病を患っており、いわゆる糖尿病性ニューロパチー(神経障害)からくる下肢指先のしびれもあり、これもやはりこれだと決める要因になりました。

①血糖値調整の『太白』『右関門』のツボに鍼+皮内鍼

②末端細胞の酸欠状態を改善のため『経渠』

③末梢神経の血流改善に長野式側弯処置『陽輔』『外関』『経渠』

 

ここまでやっていると、足趾末端のしびれや足底のじゃりじゃり感、足首前面の自分の足じゃない感覚が楽になってきました。その他梨状筋や大腿方形筋の硬結をとり治療を終えました。

 

◆経過

こういった治療を週に一回を一か月続けじゃりじゃり感はなくなりました。翌週より月に1回または2回患者様がメンテナンスにため通ってくださいました。

 

◆考察

その他同じような症状の患者様がいらっしゃいましたが、腰の術後も残る足底のじゃりじゃりする感じの患者様は、私の力不足で治すことができない人もいました。しかし、上記のような糖尿病性ニューロパチーからくるものや、通常の神経痛からくるものは比較的対応できる範囲の物が多いです。

 

◆その他

 病院ではよく末梢神経の傷の修復のためにビタミンBだったり、血行促進のためビタミンEが出たりしますが、それでも改善が見込まれない方は鍼灸の施術や漢方薬を試されてみてください。